日時:2016年4月20日(水曜日)
場所:東京・丸の内
PhRMAは、日本の患者団体の方々への支援活動の一環として、去る2016年4月20日(水)、本年度1回目となる「インフォメーション・セッション」を開催しました。
PhRMAインフォメーション・セッションは、疾病領域や組織規模の大小、会の成り立ち等、それぞれに異なる事情をお持ちの、多種多様な患者団体の皆様を対象に開催しています。
異なるバックグランドをお持ちの方が集う機会だからこそ、医療を取り巻く環境において共通する課題を浮き彫りにでき、さらには、その課題に対して、疾病領域を超えて相互に協力し、取り組んでいくことができるのではないか、また、異なる立場の意見を知ることによって、各団体の今後の活動に活かしてもらえるのではないかという発想から、昨年8月開催(下記URL参照)の際は、皆様に日本の医療制度を取り巻く課題についてグループディスカッションを行って頂き、今後、このインフォメーション・セッションの場で、さらに掘り下げて意見交換・情報交換をしていきたいテーマを検討して頂きました。今回はその結果を踏まえ、患者目線で考えた医療費の課題にフォーカスし、「継続的な医療費の負担をどう考えるか」というテーマのもと講演会並びにワークショップを行いました。
※2015年8月開催レポート:http://www.phrma-jp.org/archives/pdf/150820infoses.pdf
はじめに、基調講演として、全国保険医団体連合会の事務局で医療保険制度及び「公費負担医療等の手引」等の書籍編集に20年以上携わられ、負担軽減に繋がる医療制度を含む公費負担医療・医療費助成制度全般について造詣の深い滝本 博史氏に、各種制度の解説とあわせて、現行の制度の課題は何か、また自治体が独自に実施する制度と国の制度との差やその要因について、ご講演頂きました。講演中は、参加者の皆さまが資料にメモを取りながら熱心に聴講される様子が伺えました。
|
|
■ワークショップ「ワールドカフェ」
今回はワークショップにワールドカフェ方式を取り入れました。いくつかのルールを守りながら、少人数でテーブルを囲み、決められたテーマに沿って自由に発言していただいたり、思ったことや発言した内容を模造紙に書き出していただく手法で、今回は3つのテーマを設定し、テーマごとに時間を区切ってテーブルを囲むメンバーをシャッフルし、多くの参加者の皆さんと話し合っていただきました。
<テーマ>
①講演を聞いて印象に残ったこと
②自身・団体が医療費負担について課題と考えていること
③課題解決に向けて自身・団体ができること
話が進むにつれて模造紙にも多くの書き込みがなされ、書き込まれている一つの文言から、話がそのまま盛り上がっていくといったテーブルもありました。3つのテーマを話し合った後は、模造紙を壁に貼り出し、共感できる書き込みにシールを貼って頂きました。どのような意見に参加者の皆さまが共感し、また課題と考えているのかを可視化することができ、ワークショップ終了後も、熱心にそれぞれの模造紙の書き込みを眺める方もおられ、皆さまの関心の高さが伝わってきました。
ワークショップ「ワールドカフェ」の様子 |
今回は、22団体32名の患者団体の方々が参加され、参加者の方々からは、「制度について知識を増やし、頭の中を整理することができてよかったです。」、「講演はとても勉強になりました。今回伺ったお話を今後の活動に取り入れていきたいと思います。」、「ワールドカフェはたくさんの意見が出てとてもよかったと思います。」、「それぞれの立場からいろいろな意見が聞け、様々な課題があるとわかりました。これをさらに次のステップにつなげられたらと思います。」等、今後の活動につなげていけそうな多くのコメントが寄せられました。