【第14回トランスレーショナルリサーチ・コロキアム】
「認知症領域におけるイノベーションの価値最大化にむけて~当事者参画を踏まえた共生社会におけるリアルワールドデータ創出の期待と課題~」
日時:2024年9月8日
場所:TKP東京駅カンファレンスセンター/オンライン
PhRMAは去る2024年9月8日、トランスレーショナルリサーチ・コロキアム「認知症領域におけるイノベーションの価値最大化にむけて~当事者参画を踏まえた共生社会におけるリアルワールドデータ創出の期待と課題~」を開催しました。
第14回目となる今回は、岩坪 威先生を議長に迎え、認知症領域では疾患そのものに作用する新規治療薬や、新しい病理に基づいた診断法が認知症当事者の方に届き始めている現状を踏まえて、これら新規イノベーションの価値最大化のためにキーとなるリアルワールドデータの創成について議論を行いました。ディスカッションポイント:
当事者参画を踏まえた共生社会におけるリアルワールドデータ創出の期待と課題
今回は会場とオンラインにて40名(オブザーバーを含む)を超える有識者にご参加いただきました。
当日は、認知症基本法の策定を踏まえて、当事者・支援者や研究者及び関係者の先生方など、様々なステークホルダーを代表する方々に、当事者参画の重要性、実臨床での抗アミロイドβ抗体薬の投与体制の現状、バイオマーカーの活用と遺伝学的検査の意義、基礎研究の役割、費用対効果評価・価値評価の重要性など、それぞれの視点からご発表いただいた後、フリーディスカッションを実施しました。
リアルワールドデータの収集と活用方法、抗アミロイドβ抗体薬投与に至らなかった方へのサポート体制、当事者参画の具体的な進め方、産官学民連携の必要性などについて活発な議論が行われ、データプラットフォームの構築と運用体制の確立が課題として浮き彫りになりました。共生社会の実現に向けた取り組みの必要性を再確認する機会となりました。
トランスレーショナル・リサーチコロキアム
トランスレーショナルリサーチ・コロキアムはアカデミア、規制当局、製薬企業などで研究開発に携わっている研究者の方、テーマに携わる様々な方にご参加頂き、異なる立場からの議論をもとに、直面する課題に対するソリューションを探る機会を設けるもので、2015年より継続して開催しています。
また、PhRMAは2013年より産官学の連携で国内アカデミア創薬を促進・サポートする活動として、「ヤング・サイエンティスト・シンポジウム」の開催や、国内の若手研究者を米国に短期間派遣し、米国における保健医療政策、医薬品研究、規制慣行、トランスレーショナルリサーチの最新情報を学ぶ「マンスフィールド-PhRMA 研究者プログラム」の実施など、トランスレーショナルリサーチの活性化、啓蒙を命題とした活動を行っており、本コロキアムもその一環として開催しています。
参加者一覧
議長 | |
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岩坪 威 | 東京大学大学院 医学系研究科 神経病理学分野 教授 |
モデレーター | |
栗田駿一郎 | 日本医療政策機構 シニアマネージャー |
当事者・支援者団体 | |
鎌田 松代 | 認知症の人と家族の会 代表理事 |
厚生労働省 | |
江川 斉宏 | 老健局 認知症施策・地域介護推進課 課長補佐 医系技官 |
アカデミア | |
新井 哲明 | 筑波大学附属病院 精神神経科 教授 |
井原 涼子 | 東京都健康長寿医療センター 脳神経内科医長 |
富田 泰輔 | 東京大学大学院薬学系研究科 機能病態学教室 教授 |
五十嵐 中 | 東京大学大学院薬学系研究科 医療政策・公衆衛生学 特任准教授 |
池内 健 | 新潟大学脳研究所 附属生命科学リソース研究センター バイオリソース研究部門 遺伝子機能解析学分野・生命情報工学分野 教授 |
製薬企業 | |
小川 智雄 | エーザイ株式会社 日本・アジア臨床開発 |
畠山 直久 | 日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部 |
オブザーバー | |
小野 聡志 | 経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 企画官 |
芳賀 めぐみ | AMED ゲノム・データ基盤事業部 次長 医療技術研究開発課 課長 |
森口 奈菜 | 日本医療政策機構 アソシエイト |
オミレケ・フィエバー | 日本医療政策機構 プログラムスペシャリスト |
上杉 幸嗣 | PhRMA Translational Research Subcommittee副代表/ファイザーR&D合同会社 |
岩田 博司 | PhRMA Translational Research Subcommittee/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 |
ほか