日時::2016年12月9日(金曜日)
場所:東京・千代田区
PhRMAは、日本の患者団体の方々への支援活動の一環として、去る2016年12月9日(金)、2016年第3回目となる「インフォメーション・セッション」を開催しました。
健常者にとっても災害が起きた際に身を守り、かつ平常時とは異なる環境の中での健康を維持していくことは大変なことですが、継続して疾病と闘っていらっしゃる方々にとってはさらに困難な状況が考えられます。今回は、災害時の対処法をテーマに、2名の講演講師をお迎えし、災害が起きた際に身を守る基礎知識と、避難所での生活におけるポイントについてご紹介いただき、また講演会の後には参加者同士で自助、共助として何ができるかのディスカッションするワークショップを行いました。
まず、はじめに医師で、日本病院会災害医療対策委員会の委員長なども務められている災害医療のエキスパートである有賀先生から、万が一災害が起きた際、身を守るために必要な防災の基礎知識として、「2方向性避難の原則」や、防火区画、籠城避難などを知っているか否かで、火災が発生した際の避難の方向、方法の選択が左右されることを始め、こうした非常に大切な防災の基本的な知識や、地震、津波、火山の噴火等に遭遇した際にも役に立つ知識についてご講演いただきました。
講師:有賀 徹先生 |
講演風景 |
次に、がん専門看護師でメンタル心理カウンセラーでもあり、地域のNPO法人の活動などにも参加している村松先生より、疾病領域に限らず、避難先での最低限の環境の中において治療を継続するために、日頃から備えておきたい工夫、心構えのポイントについてご講演いただきました。避難の際、お薬手帳を忘れてしまったときのために、普段から携帯電話の写真機能を活用して内服薬の情報を保存しておくことや、避難所では疎かにしてしまいがちな口腔ケアが体調の維持には欠かせないことなど、具体的にご紹介いただきました。
講師:村松 まみ先生 |
講演風景 |
※講演会ライブ配信
尚、この2つの講演会の様子は、インターネットを経由してライブ配信を行い、遠方のため来場できない方々にもご視聴いただきました。
2つの講演会の後、参加者の来場順にランダムに4つに別れたグループごとに、個人としてまた各団体として、災害が起きた際の備え、また課題と考えられていることについて、情報共有・情報交換してもらうためのディスカッションの時間を設けました。
各グループで様々に話題が拡がり、まずは自助努力が必要であるが、治療上のことで自助に限界があることについては、事前に行政へ相談しておいてはどうかなどの話もあがっていました。また、ワークショップの後半には質疑応答の時間を設け、ディスカッションの結果出てきた参加者からの質問に対して、講演講師の村松先生に回答していただきました。
ワークショップ風景
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今回は、13団体19名の患者団体の方々が参加されました。参加者の方々からは、「災害時の医療体制良く理解出来ました」、「口腔内ケアの大切が良く解りました」、「普段から備えているつもりでも、講演会の内容やワークショップでの他の方との情報交換で、まだまだやらなければいけないことが多いことに気付きました」等のコメントが寄せられました。