2011年4月13日
本日、米国研究製薬工業協会(PhRMA:Pharmaceutical Research and Manufacturers of America、以下PhRMA)は、「開発中のがん治療薬」 に関するレポートを発表しました。レポートによると、過去最多の887種に上る各種がん治療薬が、臨床試験中または米食品医薬品局(FDA)の審査中であり、またその数はわずか6年前と比べても、2倍以上であることが分かりました。
PhRMAが 「開発中のがん治療薬」 に関するレポートを初めて公表した1988年当時、開発中のがん治療薬の数は65種にすぎず、その後10年の間で徐々に増加したものの、2005年時点においても400種にも達していませんでした。
PhRMAのジョン・J・カステラニ理事長兼CEOは、開発中の治療薬の増加について次のように述べました、 「がん細胞の発現、増殖、転移の仕組みに関する今までにない深い見識により、がんと闘うための新たな標的や方法がもたらされています」 。また、「急速に進歩するテクノロジーと新たな手掛かりを追及する研究者の熱意が希望の光をもたらしています」 と言及しました。
ジョンソン・アンド・ジョンソンの科学・技術担当副社長兼PhRMAのサイエンス・アンド・レギュラトリー・アフェアーズ理事会の委員長であるギャリー・ニール(Garry Neil, M.D.)は、有望な進展の一つとして、免疫機能を低下させたり、血管を増殖させるなどの身体機能を取り込むことで、腫瘍自体が保護され、栄養を摂取するなどの、様々な方法に関して理解が深まっていると述べました。
また、キンメルがんセンターのスコット・ウォルドマン氏(M.D., Ph.D.)は、がん研究におけるその他の顕著な進展としては、化学療法に対する耐性に関してがん幹細胞が担う重要な役割、そしてがん細胞とそれを取り巻く支持組織との相互作用に関する更なる理解向上も含まれていると言及しました。
また、ウォルドマン氏は、バイオマーカーによる新しい治療法への身体反応に関する研究者の予見・理解力が高まっているとも述べています。[関連動画(英語のみ)]同氏は今年、結腸直腸癌に関する画期的な研究成果に対してPhRMAから表彰されました。
さらに、ウォルドマン氏とニール氏は、がんの遺伝学的基礎を解明し、個別化治療薬の可能性につながる高度な遺伝子配列についても指摘しています。遺伝子配列は、今までより多くの研究者にとって利用可能になっただけでなく、「次世代」 の 「多重大規模シークエンシング」 へと進化しています。
ニール氏によると、HIV/AIDS などの病気の克服において非常に有効だった併用療法も、がん治療における重要な一歩となっています。
「確実に腫瘍増殖促進を阻止する為、能力を高めるとともに、腫瘍細胞が容易に利用できる回避機構も阻止すべきである」 と話すニール氏は、この潜在的躍進を実現すべく、規制当局も、開発途中にある複数の治療薬の臨床試験を簡素化する必要性を認識していると述べました。
1975年以来、5年生存率はがん患者さん全体で上昇しており、特に乳がん、前立腺がん、結腸がん、直腸がん、肺がんについては劇的に向上しています。しかしながら、がんは依然として主要な死亡原因とされています。
がんとの闘いの現況について、ニール氏は、ウィンストン・チャーチル元英国首相が第二次世界大戦中の1942年晩秋に行った演説を引用し、「これは終わりではない。終わりの始まりですらない・・・」 と述べました。
それでも、新たな方法と科学に基づく新しい手法を手に、「多くのがん患者さんにとって、終焉の幕開けに向かえるよう、願っています」 と述べました。
関連動画:http://www.youtube.com/watch?v=k4os7s9pfrY (英語のみ)
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レポートへのリンク : http://www.phrma-jp.org/archives/data/report/other-reports/110413-0930.php
開発中のがん治療剤のリスト : http://www.phrma-jp.org/archives/pdf/others/MedsDevCancerReport-ENG.pdf (2ページ以降)
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PhRMAは、米国で事業を行なっている、主要な研究開発志向型製薬企業とバイオテクノロジー企業を代表する団体です。加盟企業は新薬の発見・開発を通じて、患者さんがより長く、より健全で活動的に暮らせるよう、先頭に立って新しい治療法を探求しています。加盟企業の新薬研究開発に対する2010年の投資額は約494億ドルで、製薬業界全体の投資額は過去最高の674億ドルに達しました。
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