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【PhRMA insight “practice” forum ~理想のインサイトへ向けて~】実施レポート

【PhRMA insight “practice” forum ~理想のインサイトへ向けて~】実施レポート

日時:2021年10月29日(オンライン会議)


本フォーラムはPhRMA networking groupに属するinsight forum groupにより企画、開催されました。
第1部では、グループの体制・活動目的と、現役MSLが抱える課題抽出に向け、議論された内容が紹介されました。第2部では、MSLの抱える課題について、MSLだけでなくMedical Plan/戦略策定者からの視点も交え、互いの期待を共有・共感・議論されました。
本会は、12月に予定されたFinal sessionに向けたSmall sessionの位置づけとして、議論の結果共有と共に、日常業務を振り返りインサイトについて考えることで学びある時間となることを期待して実施され、PhRMA加盟企業に関わらず21社から226名の参加となりました。

第1部:Presentation & Interaction『これまでの取り組みと明らかになった問題点 ~インサイトに関連したディスカッションを通して~ 』

本セッションでは、MSLと顧客とのInteractionを通したインサイト収集から始まり、分析、共有、plan策定、Activity実施の1連のプロセスから現役MSLが感じている課題を共有しました。各社が抱える問題点を持ち寄り、分類し、まとめる作業をおこなった結果、MSLの役割やMedical affairs(MA)の構造、呼称等に違いはあるものの、共通する課題を見出すことに至り、具体的な課題を紹介しました。

第2部:Panel Discussion『インサイトの収集からPlan策定に至るフローと各タイミングで抱えている問題点解決に向けて』

前述のプロセス毎に参加者へ向けたvotingを実施し、その結果に応じたdiscussionがおこなわれました。

【顧客interaction】
初めに集めるインサイトを定期的に勘案し重点的に議論する取り組みが紹介されました。
Solutionへ紐付く観点では、プラン実施に関連したClinical Question(CQ)を設定することで、insight入手側とプラン策定側とで互いに腹落ちしておくことが重要であるとされました。
また、幅広い科学的対話を通じて広く医療現場のUnmet Medical Needs (UMN)を収集することも重要とされました。質問を設定して狙ったインサイト収集と、自由度の高い科学的対話によるインサイト収集を上手くミックスすることが重要とされました。

【Insight分析】
MSLがインサイト分析に関わるメリットとデメリットについて議論されました。メリットとしては顧客の熱量が反映できる点や、医療現場に近く真の意義を理解できる点、デメリットとしては属人的になる点やリソースの問題が挙げられました。
一方、MSLがインサイト分析に関わらないメリットとデメリットについても議論されました。メリットとしてはバイアスが少なく、リソースの問題も少ないので練られたアクションに昇華できる点、デメリットとしてはインサイト価値の評価が難しい場面があり、アクションの意義がMSLに還元されにくい点が挙げられました。
分析部署の有無は各企業で異なっていました。分析手法も最大限の活用にはまだ課題がある。MSL部署内に分析担当者を置くことでインサイトの貢献が実感でき、社内にアクションを提案することで自らの活動成果を社内でも見せていく一助になるといった意見もありました。
インサイトの評価では、定性的だけでなく定量的な視点も重要とされ、戦略に基づく連続的なものと単一的なものが存在する点が言及されました。また、MSLと協働する立場として上手く拾い上げていく意識を持つことも重要とされました。

【Medical/non-Medicalへの共有】
各社で規定はあるものの、他部署へ共有することはインサイトの有用性を普及し、社内におけるMSLの価値向上の観点で重要とされました。共有の際に背景情報を加えることによって、どの様に活用できるかの議論にも繋がるとされました。MSLとしての社内認知度にはまだ課題が残る一方で、有用と捉えられると社内からのリクエストが増え、本業である顧客interactionとのバランスが崩れることも課題となり、ベストな方法は模索段階とされました。
MSLと協働する立場からは、MSLがMedical Educationプランやデータ創出に関わる機会を持つように意識している点が紹介されました。他部署にとって目に見えるアウトプットがあることでMSL活動の理解に繋がり、部署によって目指す成果の時間軸が異なる点やインサイトが将来的に何に繋がるかを理解頂くことにもなります。

【各部署でのPlan策定・Medical Activityの実施フェーズ】
プランの評価はどの企業も試行錯誤の段階でした。インサイトで明らかになった問題点・課題が解決されているかを評価するには、数字だけで表され難い部分があるとされました。プラン策定段階で評価指標や目標値も議論し、実施後に得られるインサイトにどんな変化が生じるかを勘案することが一案とされました。
Solutionによっては、評価の範囲や目標も異なるとされ、元のインサイトを発した顧客に直接還元することも重要なプロセスの一つになるとのコメントも挙がりました。

フォーラム役割者・スタッフ一同(50音順)

氏名 企業名
秋山 雅裕 ヤンセンファーマ株式会社
岡田 真一 MSD株式会社
岡田 唯 日本イーライリリー株式会社
奥田 尚紀 MSD株式会社
佐々木 武治 ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社
田中 淳一郎 ヤンセンファーマ株式会社
永野 克将 ヤンセンファーマ株式会社
中村 健一 日本イーライリリー株式会社
萩森 恒平 日本イーライリリー株式会社
皆嶋 健 MSD株式会社