米国研究製薬工業協会(PhRMA)は去る2022年11月26日、LiSE(川崎生命科学・環境研究センター)の会議室とオンラインにて、「PhRMA Translational Research Symposium~神奈川、川崎ではぐくむ日本のシーズと人材~」と題したシンポジウムを神奈川県、川崎市、川崎市産業振興財団、かながわ再生・細胞医療産業化ネットワーク(RINK)との共催で開催しました。
同シンポジウムは、産官学の立場で活躍する医薬における研究者が、シーズ発掘・育成などをテーマに、様々な視点からディスカッションすることで、参加者の研究意欲のさらなる向上、ひいては創薬分野で世界的に活躍できる人材を育成することを目的として実施しました。
当日はPhRMA Science & Regulatory Leadership Committee委員長の石橋 太郎氏、神奈川県ヘルスケア・イノベーション担当部長の大木 健一氏、川崎市臨海部国際戦略本部成長戦略推進部長の大山 啓祐氏の開会挨拶から始まり、イントロダクションとして神奈川県・川崎市のライフサイエンスの取組について、神奈川県の大木 健一氏、川崎市産業振興財団 殿町キングスカイフロントクラスター事業部長の髙梨 憲爾氏よりそれぞれご紹介いただきました。
第1部の基調講演では、PhRMA Translational Research Subcommittee委員長の大脇 健二氏がモデレーターとなり、産官学からそれぞれ講師を招いてご講演いただきました。
●第1部基調講演
まず初めに、エコセル株式会社 取締役CTO 小島 伸彦氏より「弱小研究室の絶望を希望にかえる大学発ベンチャーへの挑戦」と題して、研究を推進するためにベンチャーを起業したご自身の経験を紹介いただきました。
続いて神奈川県立保健福祉大学 ヘルスイノベーション研究科 教授/早稲田大学 リサーチイノベーションセンター 教授 島岡 未来子先生より「ヘルスケア現場の課題を解決したい:シーズ・ニーズマッチングの手法と事例」と題してデザイン思考やリーン・ローンチパッド、エファクチュエーションなど起業に必要な新規事業創造の方法・理論についてお話いただきました。
最後に、経済産業省 商務サービスグループ 生物化学産業課 総括係長 登崎 涼氏より「バイオ医薬品産業の競争力強化に向けて」と題して、国内ワクチン製造拠点の整備、創薬ベンチャー育成に関する政府の取組について説明いただきました。
●第2部パネルディスカッション
第2部では、PhRMA Translational Research Subcommitteeの杉田 真氏をモデレーターとして、ご講演いただいた方々に加え、株式会社RAINBOW 研究開発担当取締役・北海道大学大学院医学研究院 脳神経外科 助教 川堀 真人氏、Catalys Pacific マネージング・パートナー 高橋 健氏をパネリストとして迎え、講演を踏まえたディスカッション・質疑応答を行いました。
日本の創薬エコシステムの発展に向けて、ベンチャー経営人材の確保の必要性や、研究の実用化に向けた社会実装の取組、再生医療の可能性等に関して多くの意見が出されました。
約3時間のシンポジウムはPhRMA日本代表 ハンス・クレムによる閉会挨拶とともに幕を閉じました。
本シンポジウムの参加者からは、「研究者の支援をする企業や自治体の重要性を学んだ。」、「起業したい思いが強くなった。」、「同じような境遇を既に経験され、起業を成功されている先生方やさまざまな立場からシーズの成長にご尽力されている方々のお話を伺い、非常に感銘を受けた。」などのコメントが寄せられました。
なお、シンポジウムの前日には希望者を対象にしたキング スカイフロントの立地機関見学ツアーも開催し、ナノ医療イノベーションセンターと株式会社遺伝子治療研究所の2機関で見学や意見交換を行いました。
詳細はPhRMA Translational Research SymposiumのWebサイトをご覧ください。
http://yss.umin.jp/
開会挨拶
石橋 太郎 |
大木 健一 |
大山 啓祐 |
イントロダクション
大木 健一 |
髙梨 憲爾 |
第1部基調講演
小島 伸彦 |
登崎 涼 |
島岡 未来子 |
第2部パネルディスカッション
高橋 健 |
川堀 真人 |
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閉会の挨拶
ハンス・クレム |