米国研究製薬工業協会(PhRMA)は2024年9月15日・16日、「第24回CRC*と臨床試験のあり方を考える会議 2024 in 札幌」において、ドラッグラグ/ロスの問題に対応するための治験エコシステム導入の必要性に関するセミナーをEFPIA Japanと共催しました。
*CRC=治験コーディネーター
本セミナーは「ALL JAPANで創る『治験エコシステム』~医療機関の視点から治験業務を合理化する~」をテーマとし、昨今のドラッグラグ/ロスの問題に対応するために、治験業務のさらなる効率化・合理化を目指した医療機関・治験依頼者の協業による治験エコシステム導入が必要であることを強調しました。医療機関向けアンケート、インタビュー結果の公表を通じて、医療機関の視点から見たALL JAPANとして変革が求められる部分について発表しました。
講演1では、「非効率な治験業務に関する医療機関向けアンケート結果の共有」と題し、2024年6月に実施した医療機関向けアンケート(回答者:892名)の結果を共有しました。アンケート結果より、Central IRB(中央治験審査委員会)の普及状況やFair Market Value、ICF (Informed Consent Form) 共通テンプレートの導入状況に加え、治験業務において医療機関側が非効率であると感じる点や、その解決策を提示しました。また、本アンケート結果の考察から見えてきた、治験依頼者として推奨される対応についても具体的に提言しました。
講演2では、「医療機関の視点から治験業務を合理化するために」と題し、医療機関を対象に実施したインタビュー(CRC、治験事務局、薬剤部ほか計65名)の結果を共有しました。インタビューで明らかになった、治験業務を合理化するために取り組むべきことを、行政・治験依頼者・医療機関別にまとめ、ALL JAPANとして治験エコシステムを導入するためのエッセンスとして提言しました。
さらに、パネルディスカッション「治験エコシステムの未来予想図II」では、日本がグローバル治験に参加する中で、非効率な治験業務を合理化するために、医療機関と治験依頼者がどのように協働すべきかを議論しました。3名のCRCさんと共に、今後の治験業務のあり方について活発な意見交換を行いました。
本セミナーは、PhRMA/EFPIAより、ALL JAPANとして治験エコシステムを構築するための重要なポイントを提言する場となりました。発表資料公開に際して、当日掲載できなかったデータも併せて公開いたします。
【PhRMA/EFPIA Japan 共催セミナー登壇者】
■座長
柏 康弘(米国研究製薬工業協会 臨床部会/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)
飯島 雅之(欧州製薬団体連合会 臨床部会/株式会社中外臨床研究センター)
■演者
柴野 孝一(バイエル薬品株式会社)
池ノ谷 崇史(ノバルティス ファーマ株式会社)
佐藤 立太郎(株式会社中外臨床研究センター)
■パネルディスカッション
神宮 真希(北海道大学病院 臨床研究開発センター)
奥田 浩人(岡山大学病院 新医療研究開発センター)
樋口 和奈(株式会社アイロム クオリティマネジメントセンター)
兪 慧晴 (バイエル薬品株式会社)
酒井 茉由(ギリアド・サイエンシズ株式会社)
【PhRMA/EFPIA Japan実行委員/臨床部会代表委員】
兪 慧晴(バイエル薬品株式会社)
柴野 孝一(バイエル薬品株式会社)
山名田 弓枝(アストラゼネカ株式会社)
奥田 翔平(ノバルティス ファーマ株式会社)
池ノ谷 崇史(ノバルティス ファーマ株式会社)
中嶋 通子(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)
佐藤 立太郎(株式会社中外臨床研究センター)
冨塚 佑樹(ヤンセンファーマ株式会社)
酒井 茉由(ギリアド・サイエンシズ株式会社)
新井 里紗(ファイザーR&D合同会社)
飯島 雅之(株式会社中外臨床研究センター)
山中 雅仁(バイエル薬品株式会社)
内田 智広(ノバルティス ファーマ株式会社)
松井 直也(アストラゼネカ株式会社)
山上 智広(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)
柏 康弘(ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)
岡本 誠一(MSD株式会社)
荻野 孝明(日本イーライリリー株式会社)
大垣 博毅(グラクソ・スミスクライン株式会社)
【発表資料】