平松且稔*1、Annabel Barrett*2、宮田泰彦*3
PhRMA Japan Medical Affairs Committee Working Group 1を代表して
アクセプト:2021年5月27日/オンライン掲載:2021年6月19日 © The Author(s) 2021
※本書は、原著からの二次利用となります。
原著(英文)は下記のリンクからご覧いただけます。
https://doi.org/10.6084/m9.figshare.14531580
日本におけるリアルワールドデータ(RWD)とリアルワールドエビデンス(RWE)の現状や課題、将来の展望について共通の理解を深めることを目的とし、PhRMAメディカル・アフェアーズ委員会が学術雑誌「Drugs – Real World Outcome」に投稿し、2021年6月にオンライン掲載された総説「Current Status, Challenges, and Future Perspectives of Real-World Data and Real-World Evidence in Japan(日本におけるリアルワールドデータとリアルワールドエビデンスの現状と課題、そして今後の展望)」を和訳した資料です。
要旨: この論文は、日本におけるリアルワールドデータ(RWD)とリアルワールドエビデンス(RWE)の現状、課題、そして今後の展望について共通の理解を構築する一助となることを目的としている。RWDとRWEは非常に広く使用されている用語であるが、それらの定義は標準化されていない。PhRMA Japan Medical Affairs Committee Working Group 1は、臨床開発とMedical Affairsの観点からRWDとRWEの用途が広く拡大していることから、「RWDは、様々な情報源から日常的に収集された患者の健康状態及び/又は医療の提供に関するデータである。」と定義し、「RWEは、RWDの解析から得られたエビデンスである。」と定義することを提案する。日本におけるRWDとRWEの主な課題には、RWDへのアクセスと連結の制限及び広く受け入れられている方法論的アプローチの欠如が存在し、患者と医療にもたらす利益を減らしている可能性があること等がある。これらのRWDとRWEの課題は、決して日本に固有のものではなく、欧米諸国も同様の課題を抱えている。RWDとRWEの需要が高まるにつれて、意思決定者の信頼と受入れを確保するために、データと解析の品質、研究デザイン及び報告の透明性についてさらに議論する必要がある。日本のRWDとRWEに関する今後の開発には、RWDへのアクセスの改善、データの連結、意思決定者による受入れを増やすこと等を含むことが予想され、これらはすべて革新的なテクノロジーによってサポートされている。RWDへのアクセスとデータベースへの連結の改善により、日本の官民ともに、より包括的な健康情報を収集できるようになる。
*1アムジェン株式会社、〒107-6239東京都港区赤坂九丁目7番1号ミッドタウン・タワー、日本
* 2イーライリリー・アンド・カンパニー、バークシャー、英国
* 3ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社、東京、日本
2021年12月1日(水)に実施したオンラインプレスセミナー「コロナ禍で見えてきた日本におけるリアルワールドデータとリアルワールドエビデンスの現状と課題 ~デジタル化の推進で日本の医療はどう変われるか~」の資料は下記よりご覧いただけます。
http://www.phrma-jp.org/pressroom/pressevent/20211201press-seminar/