日時:2023年3月9日(木)
PhRMAは3月9日(木)、シモーネ・トムセンPhRMA在日執行委員会委員長(日本イーライリリー株式会社 代表取締役社長)による定例記者会見を行い、日本が最新の予防や治療から取り残されないために、また日本の患者さんがイノベーションに乗り遅れることがないように、日本国内における強靭な創薬イノベーション・エコシステムの実現に向けて取り組むべき方策として、2024年度薬価制度改革に向けたPhRMAの提言を発表しました。
トムセン委員長は、日本は患者さんが革新的な医薬品やワクチンへの早期のアクセスを望み、また、医薬品産業が経済成長と発展に貢献することを望んでいるにも関わらず、近年のイノベーション促進を阻害する政策変更が日本における研究開発投資に悪影響を及ぼしていると指摘。その結果、日本は近年ドラッグ・ラグの兆候が顕著となり、がん領域、抗ウィルス薬・抗菌薬、中枢神経領域などアンメット・メディカル・ニーズを満たす革新的な新薬が上市されていないケースが増えていると述べました。また、開発初期段階にある新薬パイプラインの数でも中国に大きく引き離されるなど、ヘルスケア分野のアジアの中心としての地位も脅かされている状況にあることを説明しました。
そのような状況の中で、強靭な創薬イノベーション・エコシステムの好循環を実現するには、透明性が高く、イノベーションを促進する薬価制度の確立が必要であるとして、2024年度薬価制度改革に向けたPhRMAの提言を以下の通り発表しました。
▶特許期間中の新薬の薬価維持
▶新規収載時の価格設定
また、上記の改革を実行するための財源確保の方策にも触れ、さらには、官民のハイレベルで定期的かつ実りあるコミュニケーションを行うための新たなフォーラム設立などの提案も発表しました。