2012年2月24日
米国研究製薬工業協会(PhRMA:Pharmaceutical Research and Manufacturers of America、本部:米国、ワシントンDC)は、米国のバイオ医薬品研究企業が開発中の慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)治療薬は54種類にのぼると発表しました。これらは画期的な治療薬で、いずれも開発段階後期(臨床試験中または米食品医薬品局による審査中)にあります。
COPDは、Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略称で、現在、米国の成人1300万人以上が罹患する、米国における最も多い呼吸器疾患のひとつです。進行性の下部呼吸器疾患で、慢性気管支炎と肺気腫の両方の症状をもち、肺への気流が遮断されて正常な呼吸が妨げられる病気です。COPD患者は、仕事や勉強、日常動作に困難を伴います。米国立衛生研究所(NHI)によると、COPDの罹患者数は増え続けており、また、罹患していながら未診断の患者も1200万人にのぼるとされています。
PhRMAのジョンJ.カステラニ理事長兼CEOは次のように述べています。「COPDは、早期発見が大変重要な病気で、効果的な治療を施せば症状の悪化や進行を抑えられる可能性があります。今回発行したPhRMAの報告書*1に特記されている新しい治療法は、最新の科学的アプローチによるCOPDやそれ以外の呼吸器疾患の治療が、いかに患者の生活を改善し希望をもたらしているかを示しています。」
アメリカのバイオ医薬品産業では、COPDのよりよい新しい治療法を目指し、次のような研究が進められています。
– COPDの多くのケースで上昇する血中のタンパク質を標的とする成人幹細胞療法
– COPDの炎症部分に関与しているIL-1受容体に作用するモノクローナル抗体
– COPDの潜在的炎症を標的とする治療薬
米国では、COPDによる年間死者数が12万人以上にのぼり、米国における死亡原因の第3位となっています。NIHによると、COPDによって多くの患者が身体に障害を抱えるだけでなく、年間499億ドルという巨額が直接的および間接的に国家の医療費として費やされています。
COPDによる死因の約9割は喫煙で、COPDの最大のリスク要因です。喫煙以外の死因には大気汚染、受動喫煙、粉塵や化学物質の吸引、遺伝性、幼児期の呼吸器感染などが挙げられます。
米国のバイオ医薬品研究企業は、患者がより長くより健康で生産的な生活を営めるよう、新薬の発見と開発に邁進しています。実際、バイオ医薬品産業の投資額は、製造業全体の従業員一人当たり研究開発投資額の約8倍に達します。こうした研究開発に対する熱心な姿勢によって、世界中の患者さんの命が救われ生活が改善すると同時に、米国に雇用をもたらすなどの経済効果にも貢献しています。
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