PhRMA

facebook

【オンラインシンポジウム】PhRMA主催「PhRMA Translational Research Symposium」を開催

【オンラインシンポジウム】PhRMA主催「PhRMA Translational Research Symposium」を開催

<PhRMA共催>
PhRMA Translational Research Symposium
~多様なキャリア形成が創薬の未来を拓く~

日時:2021年12月4日(土)14:00~17:00
後援:
厚生労働省、経済産業省
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)
日本製薬工業協会(JPMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)、湘南ヘルスイノベーションパーク

米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、去る2021年12月4日(土)、「PhRMA Translational Research Symposium~多様なキャリア形成が創薬の未来を拓く~」と題したオンラインシンポジウムを開催しました。

PhRMAが主催する本シンポジウムは、産官学の立場で活躍する医薬における研究者が、人材交流・キャリアパスをテーマに、様々な視点からディスカッションすることで、参加者の研究意欲のさらなる向上、ひいては創薬分野で世界的に活躍できる人材を育成することを目的として実施しました。

当日は小野 嘉彦PhRMA在日技術委員会委員長の開会挨拶から始まり、大脇 健二PhRMA Translational Research Subcommittee代表がモデレーターとなり、第1部講演を行いました。

●第1部基調講演
まず初めに、企業とアカデミアにて創薬開発などのご経験を持つミラバイオロジクス株式会社代表取締役社長の加藤 益弘氏より、「世界で築くキャリアパスと創薬イノベーション」と題して、COVID-19ワクチン問題からの教訓を例に、信念をもって研究を継続することの重要性や、様々なキャリアを行き来する人材循環がバイオベンチャーの発展・興隆とベンチャー以外の活性化も起こしていくことに繋がること、日米の創薬環境、特にバイオベンチャーを取り巻く環境の比較などについてご紹介いただきました。またキャリアパスを考える上で、これまでのような組織に頼る時代は終わり、自らが世界に飛び出して、世界に通用する専門性と環境変化を乗り越える実力を身につけて世界の最先端を知ることが、今後の日本を担う研究者に必要であるとご説明いただきました。

続いて厚生労働省から企業へキャリアチェンジされたヤンセンファーマ株式会社 研究開発本部 薬事統括部長の佐藤 陽次郎氏より、「製薬を巡る研究開発の現状と今後の課題」と題して、公的研究費の現状やベンチャーキャピタルの現状、製薬会社の研究費の現状などをご紹介いただきました。

最後に臨床医やアカデミアを経て企業での臨床開発などのご経験を持つファイザー株式会社 取締役 執行役員 ワクチン部門長の藤本 陽子氏より「飛躍と原点回帰~女性のキャリアにおいて重要な柔軟性」と題して、女性が活躍することの重要性、女性のキャリアの課題と対処、ご自身のご経験をもとにしたキャリア事例をご紹介いただきました。女性活用やキャリアの議論は個人の自己実現とWell-beingを原点にすること、ジェンダーに対する固定概念を認識した上でポジティブに捉えること、キャリアに対する柔軟性が女性の活躍にとって重要であるとご説明いただきました。

●第2部ワークショップ
第2部のオンラインワークショップでは、参加者の関心のあるテーマで下記の3つのグループに分かれてワークショップを実施しました。第1部の講師と実際に産官学の垣根を超えたキャリア形成を実現した経験者や有識者がモデレーターとして各グループに加わり、今後のキャリアデザインを考えるにあたり、課題となっていることや体験談等について情報交換していただきました。

Aグループ:アカデミアや行政経験者に企業が期待すること
・モデレータ―:古澤 嘉彦(武田薬品工業株式会社 ジャパンメディカルオフィス メディカルエキスパート)
・参加講師:加藤 益弘(ミラバイオロジクス株式会社代表取締役社長)

Bグループ:行政における経験がどうキャリアパスに活かされるのか
・モデレーター:大槻 孝平(PMDA審査マネジメント部 イノベーション実用化支援・戦略相談課)
・参加講師:佐藤 陽次郎(ヤンセンファーマ株式会社 研究開発本部 薬事統括部長)

Cグループ:女性研究者のキャリアパスについて考える
・モデレーター:内山 麻希子(ヤンセンファーマ株式会社メディカルアフェアーズ本部 メディカルサイエンスリエゾン部)
・参加講師:藤本 陽子(ファイザー株式会社 取締役 執行役員 ワクチン部門長)

●第3部総括
第2部で話しあった内容を各グループのモデレーターの方々にご紹介いただきました。
Aグループでは武田薬品工業株式会社の古澤 嘉彦氏より、「日本におけるライフサイエンスのプレーヤーがどのようにシナジー効果を起こすか」をテーマに、企業とアカデミアが早期の段階からFace to Faceで話ができる人と人との繋がりが大切であること、アカデミアの先生方が早いうちからベンチャーを起業していくマインドセットを持つこと、企業側のベンチャーを支援していく仕組みづくりの重要性を改めて共通認識として議論したことをご紹介いただきました。
BグループではPMDAの大槻 孝平氏より、行政で得られる経験として企業やアカデミアのトップクラスの方々など色々なステークホルダーと話すことができ人との出会いがあることや、調整能力を養うことができること、企業側とは逆の視点から見ることができることを挙げ、その一方で海外と違い日本では行政が人材交流に入っていけないことが課題点として議論されたとをご紹介いただきました。
Cグループではヤンセンファーマ株式会社の内山 麻希子氏より、現状の課題としては出産というライフイベントを踏まえてどうキャリアを築いていくかが大きく、人それぞれがその時点での自分のやりたいことを選択していくことや、周囲の理解ある環境が重要であること、また女性登用の機会をポジティブに捉えて機会を活かすことにより、後に続く人に繋がればいいのではないかとの意見があったとご紹介いただきました。

約3時間のオンラインシンポジウムは大脇PhRMA Translational Research Subcommittee代表による閉会挨拶とともに幕を閉じました。
本シンポジウムの参加者からは、「産官学が気軽に意見交換できる場として大変有用であった。継続いただきたい。」、「とても刺激になった。もっと積極的にキャリアを動かす必要があると気づいた。」、「仕事と子育てに追われて、キャリアについてじっくり考える時間がなかったので良い機会となった。質疑も活発で良かった。」などのコメントが寄せられました。


【シンポジウムの模様】