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PhRMA MSL Networking Group
PhRMA MSL Forum 2024 ~MSLのキャリア・評価/価値について
考える~ を開催

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PhRMA MSL Forum 2024 ~MSLのキャリア・評価/価値について
考える~ を開催

開催日時:2024年11月19日
開催場所:赤坂インターシティカンファレンス


本フォーラムはPhRMA MSL Networking Groupのメンバーにより企画・開催されました。
(*MSL: Medical Science Liaisonの略。高度な医学・薬学・科学的知識に基づき、疾患や薬物治療また研究について学び、製薬企業と臨床現場の間の中立的立場から情報提供し、自社の製品を最適化する役割を担う)
今回は、対面とオンライン配信のハイブリッド形式で開催され、203名(現地:58名、オンライン:145名)が参加しました。PhRMA加盟企業のみならず、日本製薬工業協会加盟企業の方々にもご参加いただきました。第一部は講演ならびにパネルディスカッションを中心とし、第二部は現地参加者を13のグループに分けて意見交換会を実施しました。

第一部
第一部では、今年のPhRMA MSL Networking Groupリーダーの小泉 稔氏(日本イーライリリー株式会社)の挨拶後、実形 剛樹氏(ファイザー株式会社)が「MSLの業務満足度、キャリアおよび評価に関するアンケート結果報告」と題し講演、208名のMSLからの回答結果を報告しました。MSLの業務満足度に関しては、「やりがい」や「専門性を活かせる」ことについて満足度が高い一方で、「ワークライフバランス」や「業務時間」への満足度は低い傾向にありました。特に、経験年数が10年以上のMSLにおいては、「ワークライフバランスが悪い」と回答された方が多い結果となりました。MSLのキャリアプランについては、「MSLを今後も続けたい」あるいは「他の職種を希望する」という回答が分かれている一方で、「迷っている」と回答された方が最も多い結果となり、将来に不安を感じているMSLが多いことが示唆されました。評価については、「患者への貢献」や「KOLマネジメント/エンゲージメント」を重要だと考える回答者が多い一方、それらが会社から適切に評価されていないと感じるMSLが多いことが分かりました。
パネルディスカッションではアンケートの結果を受け、「MSLのキャリアパス・評価/価値を深掘りしてみよう!」というテーマで3名のパネリスト:飯田 一氏(ヤンセンファーマ株式会社)、渡邊 尚文氏(ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)、岩野 智絵氏(SThree株式会社)にご登壇いただきました。まず初めに、ワークライフバランスが良くないという意見が多かったことに対して、効果的な取り組みを伺いました。飯田氏「自身の病気の経験からワークライフバランスを重視している。今後はオンライン面談の実施や、さまざまな業務プロセスでのAI活用により効率化が進む可能性がある。心身共にきちんとしていないと満足のいくKOL engagementはできない」、渡邊氏「一人で頑張るのではなく、チームで取り組むことで時間を節約できるのではないか。そのためにデジタルツールを使い、そのナレッジを共有することが大事である」、岩野氏「自分で負荷を減らす意識を持つことが大事である。Managerやメンバー、家族などの協力者が必要で、頼れるところは人に頼ること、資料の共有などチームで協力していくことも必要である」とのご意見をいただきました。次に、MSLの将来が有望であると回答した率が低かったことに対して、その理由と対処法について質問しました。岩野氏「メガファーマを中心にMSLのニーズは高い。また、社内においてもMSLのような高度な専門知識をもつ人材がほしい部署は多いため、将来性はあると思う。どのように医療従事者と接するかという、数値化しにくいソフトスキルも含めて評価されていると思う」、渡邊氏「製薬業界からの情報を求めている医師が多い一方で、医師も情報量が多すぎて困っている。その際に頼りになるMSLであるかは重要である。先生から信頼されるMSLが増えてくれば未来は明るいと思う。患者さんのためになっているという社内外での認知があがれば、将来は安泰でないか」とのご意見をいただきました。最後の質問として、MSL業務のうち、「顧客対応」が重要であるとの回答が多かった一方で、適切に評価されていないことに対して、その理由と解決法についてお聞きしました。飯田氏「面会数が少なくても価値のある面会ができているか、AIなどを活用することで包括的に評価できる方法があるといい。製薬団体などのコミュニティで継続して意見交換することは重要である」、渡邊氏「評価は難しいが、上司が積極的に同行することによって、先生との関係性を直接評価することが大事である」とのご意見をいただきました。
第一部は、地主 将久氏(ギリアド・サイエンシズ株式会社)による閉会の挨拶で幕を閉じました。

第二部
第二部では、「MSLの問題を解決するためにはどうしたらよい?」と題し、第一部のパネルディスカッションで議論したテーマについてグループディスカッションを行いました。1グループ5名程度のグループを13組作り、MSL Networking Groupメンバーがファシリテートする形式で、約40分間のディスカッション、10分間の共有を行いました。他社のMSLと考えや解決策などを自由に意見交換することで、親交を深める時間となりました。本会は、昨年と異なり対面での実施となった点も含めて非常に好評で、昨年実施したMSL Forumへの参加者の事後アンケートのご指摘に基づいて第二部の時間を延ばしましたが、それでもまだ時間が足りなかったというご意見も多数いただきました。

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