本資料は、米国研究製薬工業協会(PhRMA)が2011年4月5日(米国時間)に発表した「MEDICINES IN DEVELOPMENT FOR Cancer 2011」の抄訳です。
がんの診断ほど、患者が恐怖や不安を抱くものはありません。しかし今日では、早期発見や、新しい、あるいは改良された数々の治療薬や治療法により、がんの進行や症状を管理し、さらには克服することさえも可能になりつつあります。オバマ大統領が、現世代でのがん撲滅を呼び掛け、患者とその家族はより効果的な治療法を求める中、米国の研究開発志向型製薬会社やバイオテクノロジー企業は、その声に応えようとしています。
現在、バイオ製薬会社の研究者は887種にのぼるがんの治療薬の開発に取り組んでいます。その多くは、先端技術を用いてがんと闘うものですが、中には既存の薬剤を新しい方法で利用する研究も含まれます。
臨床試験中、または米食品医薬品局(FDA)による承認を待つ、いずれかの段階である開発中の薬剤の中には、がんの中でも米国で主な死亡原因とされる、肺がんの治療薬98種、米国で毎年20万人以上の女性が罹患するといわれる乳がんの治療薬91種が含まれています。また現在、米国で毎年3万2,000人を超す男性の死亡原因と考えられる前立腺がんの治療薬80種、男女ともに3番目に多いがんとされる結腸直腸がんの治療薬55種も開発中です。
患者や研究開発に対して真摯に取り組んだ結果、がんによる死亡者数は減少しています。米国国立癌研究所(The National Cancer Institute; NCI)によると、米国でのがんによる死亡者数は、2001年から2006年までの間に年間1.6%減少しました。一方、米国在住のがん生存者数は、1971年の300万人から2007年に1,170万人まで増加しています。生存者の増加は、主に早期診断と早期発見、そして治療そのものとフォローアップ治療の改善によるものです。
米国の研究開発志向型製薬会社は、がんと闘うために数多くの最先端の治療法に取り組んでおり、その中には次のようなものが含まれています。
一方、様々な進展があるにもかかわらず、がんは今なお心疾患に次いで、米国で第2位の病死原因です。2010年の死亡者数は56万9,490人と推定され、これは1日に1,500人以上の人が亡くなった計算になります。現在、研究開発志向型製薬会社やバイオ企業が900種類近くの新しいがん治療薬を開発しているということは、患者のニーズに応えるべく製薬業界を挙げて取り組んでいる熱意が形となったものです。そして、患者とその家族、社会に対するがんの負担を軽くすることをPhRMAは強く望んでいます。
ジョン・J・カステラニ (John J. Castellani)
米国研究製薬工業協会(PhRMA)
理事長兼CEO
本報告書の内容は、業界情報筋および最新情報に基づくAdis “R&D Insight”のデータベースを基に作成しています(2011年3月18日現在)。記載情報は全てを網羅していない可能性があります。特定の製品に関する詳細情報は、各開発企業に直接お尋ねになるか、またはwww.clinicaltrials.govを参照ください(英語のみ)。尚、「MEDICINE IN DEVELOPMENT」シリーズはPhRMAのウェブサイト(http://www.phrma.org/research/new-medicines :英語のみ)でご覧いただけます。
###
【本件に関するお問い合わせ】
エデルマン・ジャパン株式会社
山崎 / 木田 Tel: (03)-6858-7732 / (03)-6858-7733 Fax: (03)-6858-7712 E-mail: webnews@phrma-jp.org