2011年5月19日
米国研究製薬工業協会(PhRMA:Pharmaceutical Research and Manufacturers of America、以下PhRMA)はこのほど、東日本大震災によって困難な状況に直面している被災者のために、愛、慈悲、助け合いの精神のもと、被災者支援活動を行っている6名の方々を「希望の象徴」(主催:「希望の象徴」組織委員会、後援:サノフィ・アベンティス株式会社)として称え、それぞれが代表するチャリティー、組織、グループ等へ寄付を行うことを決定いたしました。
今回の震災や津波により被害を受けた地域にて、大変な不自由を強いられている被災者の方を支援すべく奮闘している献身的な方々が大勢います。日本全国、そして世界中から駆けつけたボランティアとともにプロフェッショナルな方々が、被災者の支えとなり、地域を再建し、そして彼らの新しい生活を築く一助になればと願い各方面で手を差し伸べています。
PhRMAでは、被災者の方や被災地で活動する方々と心を合わせ、今一度光り輝く太陽を全身に浴びることのできる素晴らしい未来を築くべく尽力していくという力強いメッセージのもと、他者を助けるために手を差し伸べあらゆる人々のために献身的に活動している方々を「希望の象徴」として称えることといたしました。また、その活動に関わる何千人もの人々をも称えたいと考えております。「希望の象徴」は、癒し、健康、強さ、思いやり、再建をできるだけ多くの被災者に提供しようと尽力する個々人を象徴する方々です。
時間、エネルギー、知識、そして思いやりの気持ちをもって問題の解決を図り、被災者を支援すべく尽力している個々人の、その無私の活動を称えるため、PhRMAは2011年5月17日(火)、帝国ホテル東京にて「希望の象徴 夕食会」を開催し、記念の盾を贈呈いたしました。
PhRMA会長のクリストファー・A・ヴィーバッハー(サノフィグループ最高経営責任者 – CEO)は、次のように述べています。「我々は、現在直面している大変な困難を前にくじけるのではなく、むしろ新しいきっかけと捉え、前向きに進んでいる日本の皆さんの姿を目にし、その精神に敬意を抱いています。その中でも、今回、未曾有の大災害という困難な状況下、自身の危険を顧みず、被災した方々のために著しい貢献をされた6名は、まさしく真のヒーロー、『希望の象徴』です。」
「希望の象徴」6名の氏名と活動内容は以下の通りです。
氏名 池田 昌弘 氏 |
所属・役職 東北関東大震災・共同支援ネットワーク |
活動内容 東日本大震災直後に共同支援ネットワークを設立し、救援活動の調整にあたってきた。同ネットワークは、災害の中心的調整組織として極めて重要な側面で活動をしている。すなわち支援物資とボランティアの管理、調整、それらを受ける可能性のある対象の把握、そしてその対象の方々のニーズの把握である。彼らの尽力によってお米から紙おむつに至る様々な救援物資が、最も有効に活用される場に届けられ、食事に困っている方々へ食事が届けられ、住む場所を失った人々が住む場所へたどり着き、看護士や介護士が、彼らを最も必要としている被災者の方々のもとへ向かうことができるのである。現在までに池田氏と彼のグループは、3800名以上のボランティアのスペシャリストや様々な支援物資を東北地方の最も支援が必要な地域へと送っている。 |
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氏名 菅野 武 氏 |
所属・役職 東北大学消化器内科大学院 |
活動内容 大津波が南三陸町を襲った時、公立志津川病院で勤務していた菅野医師は、地震発生から津波到達の間に多くの患者を早急に屋上へ誘導。津波が到来したときには階下に取り残された人々が津波にさらわれるのを見ているしかなかった。翌日から2日間、同氏は持ち場を離れることを拒み、救援のヘリも全ての患者が避難し終わるまで乗らなかった。震災から3日後、出産直前の妻のところへたどり着くことができ、数時間後に彼の第2子の誕生に立ち会うことができた。 |
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氏名 塚原 玲子 氏 |
所属・役職 済生会横浜市東部病院 心臓血管センター長 |
活動内容 済生会横浜市東部病院は国の要請で始まった過疎地に医師を派遣するプログラムに協力し、このプログラムを通じて塚原氏は岩手県宮古市に定期的に訪れ、医療活動を行った。当初の予定では、半年間のプログラムであったが、塚原医師はこのプログラムは続けるべきだと主張し、2年間に渡って継続している。今回の震災が発生した3月11日は同氏が偶然にも海外出張から帰国日であり、帰国早々自宅へは戻らず宮古市に直行することを決意するものの、病院の同僚の制止によって断念。その後すぐに宮古市に入り、20日間に渡って様々な被災地域を回って医療活動に従事した。塚原氏は現在も通常のプログラムを継続し、定期的に宮古市を訪問し医療活動を行っている。 |
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氏名 スチュアート・ハリス 氏 |
所属・役職 マサチューセッツ総合病院 野生医学部長 |
活動内容 救急医療の医師であり野生医学の専門家であるスチュアート・ハリス氏は、今回の震災の直後、マサチューセッツ総合病院とハーバード大学医学部の2名の同僚とともに日本へ急行した。ハリス氏は、1989年にJETプログラムの下で岩手県岩泉町と田野畑村で英語教師として勤務した経験を持つ。震災後、ハリス氏は気仙沼市へ行き、何百名もの避難民が暮らす中学校で支援体制を確立した。また徳洲会グループの災害医療援助チームと協力し、同校の保健室にプライマリー・ケアと救急医療室を立ち上げ、糖尿病、腎臓病から軟部組織損傷まで、広範な健康問題の治療にあたった。ハリス氏と彼のチームは1週間の滞在期間中、1000名を超える患者の治療を行った。野生医学の専門家としてハリス氏はインフラや物資が不足する地域で医療を提供する高い医療技術を有している。 |
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氏名 布施龍一 氏 |
所属・役職 NPO法人 フェアトレード東北 代表 |
活動内容 |
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氏名 星愛子 氏 |
所属・役職 公立志津川病院 看護部長 |
活動内容 東日本大震災で大きな津波の被害を受けた宮城県南三陸町の公立志津川病院の看護部長を務めている。今回の津波により志津川病院の下層階は完全に水に浸かったのだが、星氏は同僚職員とともに可能な限り患者を屋上へ移動させることに尽力し、結果多くの命を救った。今回の震災によって星氏自身も被災し、家族に犠牲者を出したにも関わらず避難所の看護活動に従事した。また公立志津川病院の仮設外来の運営にも尽力している。 |
(敬称略、五十音順)
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【左より、ヴィーバッハーPhRMA会長、ハリス氏、池田氏、布施氏、星氏、菅野氏、
塚原氏、ジェズ・モールディング氏(サノフィ・アベンティス株式会社 代表取締役社長) 】
【PhRMA会長のクリストファー・A・ヴィーバッハー氏 (サノフィグループ最高経営責任者 – CEO)】
PhRMAは、米国で事業を行なっている、主要な研究開発志向型製薬企業とバイオテクノロジー企業を代表する団体です。加盟企業は新薬の発見・開発を通じて、患者さんがより長く、より健全で活動的に暮らせるよう、先頭に立って新しい治療法を探求しています。加盟企業の新薬研究開発に対する2010年の投資額は約494億ドルで、製薬業界全体の投資額は過去最高の674億ドルに達しました。
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