PhRMA

facebook

【米国発:プレスリリース】COVID-19ワクチンの公平性を速やかに実現するための5つのステップ

【米国発:プレスリリース】COVID-19ワクチンの公平性を速やかに実現するための5つのステップ

2021年6月14日

米国研究製薬工業協会



COVID-19ワクチンの公平性を速やかに実現するための5つのステップ

※当資料は、米国研究製薬工業協会米国本部が、現地時間2021年5月19日に発表した報道資料を日本で抄訳したものです。

以下は、PhRMA、ABPI、BIO、EFPIA、ICBA、IFPMA及びワクチンヨーロッパによる連名で発表されたものです。

ワシントンD.C.(2021年5月19日):革新的なワクチンメーカー及びバイオテック企業は、COVID-19ワクチンを開発・製造するための世界的な取り組みを最前線で担っており、その多大なる努力は現在成果を挙げつつあります。200件を超える臨床試験、世界中の製造会社との300件を超える提携や協力を経て、COVID-19ワクチンの生産量は5月末までのわずか数カ月の間にゼロから22億回分へと増大し、2021年末には実に110億回分に達すると予測されています(エアフィニティーによる調査データはこちらをご覧ください)。これは世界の成人全てに接種を行うに十分な量と見込まれます。

しかしながら、極めて重要なことに、COVID-19ワクチンは世界中の優先接種すべき人々に公平に行き渡っていません。

この不公平を是正するため、製造会社、各国政府、非政府組織は、協力して速やかに対応しなければなりません。まずは緊急対応として、ワクチンの確実な分配を促進し、品質と安全性を損なうことなく生産量を最大化することに注力すべきです。

これを実現するため、革新的なワクチンメーカー及びバイオテック企業は、以下の課題に取り組んでいます。

ワクチンの公平な分配を促進:

  • 十分な量のCOVID-19ワクチンを確保している国の政府と直ちに協力し、COVAX等の効率的な仕組みを通して、責任をもってタイムリーに、適切な量のワクチンを低中所得国に分配する。
  • 供給契約の無いCOVID-19ワクチンを、COVAX等の効率的な仕組みを通して低中所得国に追加的に提供できるよう、あらゆる努力を払う。

生産の最適化を継続:

  • 量産が可能なパートナーとの追加的協力など、実現可能なあらゆる努力を重ね、安全性と品質を損なうことなく、新型コロナウイルス感染症用ワクチンの生産量を最大化する。
  • 各国政府及び原料・成分供給者と協力し、現在求められているCOVID-19ワクチンの生産規模拡大を安全かつ速やかに進めるための方法を策定する。

貿易障壁撤廃の呼びかけ:

  • 不可欠な原材料の入手を妨げる貿易障壁を特定し、「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」の活動を支援する。これには新設された「COVAXサプライチェーン・製造タスクフォース」を通じて充填および最終製剤化工程の能力拡大を目的とした自発的なマッチメイキングを促進し、原材料の入手におけるギャップを特定しこれに対応するための独立したプラットフォームを構築するなどの取り組みが含まれる。
  • 世界貿易機構(WTO)との連携により、輸出関連の貿易及び規制上の障壁を撤廃させ、主要な原材料、不可欠な製造用原料、ワクチンの国境を越えた供給、及びCOVID-19ワクチン製造に欠かせない熟練スタッフの優先的な移動を促進・加速させるための政策を採用するよう各国政府に要請する。

各国における準備態勢の支援:

  • 新型コロナウイルス感染症用ワクチンの分配に関して、特に低中所得国の政府と連携し、入手可能なワクチンを保存可能期間内に確実に準備・配備できるようにする。
  • 世界の公衆衛生にとって不可欠であるCOVID-19用以外のワクチンの製造・分配に伴うリスクを軽減する。

さらなるイノベーションを推進:

  • 懸念すべき変異株(VOC)に有効なワクチンなど、新たなCOVID-19ワクチンの開発に優先的に取り組む。
  • 新たなワクチンや治療法の開発支援のため、全てのCOVID-19変異株についてもその病原体(サンプル、配列等)への自由なアクセスが確保されるよう、各国政府に要請する。

英国製薬産業協会(ABPI

今回PhRMAが調査を実施した時期は、一日の陽性者数が700-800人台であり、2回目の大きな流行を乗り越え、社会経済活動が再開されるなか、流行が上昇に転じる直前であったことを踏まえる必要があります。回答者の方々は、新型コロナウイルス感染症との付き合い方に慣れ、いつまで続くのかといううんざりした気分や、再流行が予想される冬に向けての不安もないまぜになっていた頃ではないでしょうか。
そのような時期に、市民が国や自治体に対して何を期待しているかを調べた結果、多くの方々が最優先事項として「医療対策」を挙げ、特に治療薬やワクチン開発への期待が高いことが明らかになりました。これと呼応する形で、製薬企業に対して求めることとして最も多かったのが、「治療薬やワクチンの開発の促進」(61.9%)となっており、感染拡大の収束のためには治療薬やワクチンの開発が最優先と考えている人が多いことがわかりました。

バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO

米国など30カ国以上のバイオテクノロジー企業、学術機関、公立のバイオテクノロジー研究センター、及び関連組織を代表する世界最大規模の業界団体です。

欧州製薬団体連合会(EFPIA

ヨーロッパで活動するバイオ医薬品企業を代表する団体。36を数える全国レベルの協会や39社の大手医薬品企業に加え、最近増加傾向にある多くの中小企業を含むメンバーを通じ、欧州全土の人々のために革新的な治療法やワクチンを新たに発見・開発・提供すべくメンバーたちが協力するための環境を整備し、ヨーロッパの経済に貢献するという使命を追求しています。

国際バイオテク協会協議会(ICBA

革新的バイオテクノロジー業界の成長を支援する公共政策への国民の理解と支持を促進するために結成された、非営利の各国バイオテクノロジー業界団体の連合体です。グローバルな対話の場において業界の声を代弁し、人の健康、農業、産業及び環境の分野における継続的なイノベーションの促進を目的としています。

国際製薬団体連合会(IFPMA

世界中の研究型製薬企業及び協会を代表する団体。研究型製薬業界では、200万人もの従業員が世界中の患者さんの人生を改善させる医薬品とワクチンの研究・開発・提供に取り組んでいます。ジュネーブに本拠を置くIFPMAは、国連とも公式な関係を構築しており、製薬産業の専門的な見解の提供を通じてグローバルヘルスの課題解決への取り組みを支援しています。

米国研究製薬工業協会(PhRMA

米国で事業を行なっている主要な研究開発志向型製薬企業とバイオテクノロジー企業を代表する団体です。加盟企業は新薬を発見・開発し、患者さんがより長く、より健全で活動的に暮らせるよう、努力しています。加盟企業の新薬研究開発に対する投資額は、2000年からの累計では1兆ドル以上に達し、2019年単独でも推定830億ドルになりました。

ワクチンヨーロッパ(Vaccine Europe

ヨーロッパの革新的製薬企業の専門団体である欧州製薬団体連合会(EFPIA)の下部グループで、ワクチンの問題に特化して活動しています。

原文はこちらからご覧ください。
「Five Steps to Urgently Advance COVID-19 Vaccine Equity」(英文のみ)
https://www.phrma.org/Press-Release/Five-Steps-to-Urgently-Advance-COVID-19-Vaccine-Equity