日時:2023年7月22日
場所:TKP東京駅大手町カンファレンスセンター/オンライン
PhRMAは去る2023年7月22日、トランスレーショナルリサーチ・コロキアム「今後の(5-10年)のAD創薬の展望」を開催しました。
アルツハイマー型認知症(AD)の治療薬開発は、PhRMA加盟企業を含め多くの国内外の製薬会社が長年集中して取り組んだ結果、ようやく疾患修飾薬が登場しました。しかしながら、ある程度認知機能低下が進行した状態では治療効果を示すのが現実的に困難であるため、治療の対象はより早期の患者さんへとシフトしています。製薬企業・アカデミア・公的研究機関等において単独では克服困難な疾患特有の“壁”を乗り越えるために産官学の連携(Public–Private Partnership: PPP)を築く必要性が高まっています。
本コロキアムでは、岩坪 威先生を議長に迎え、2017年、2018年、2020年、2021年の4回に渡って議論してきた「アルツハイマー病の超早期診断と介入治療戦略」について、最新の事例などを取り入れ、産官学の研究者及び関係者の先生方と、さまざまな立場から深く議論を行いました。
ディスカッションポイント:
疾患修飾薬の登場による今後のAD創薬のアプローチ
今回は会場とオンラインにて40名(オブザーバーを含む)を超える有識者にご参加いただきました。 当日は2部構成とし、第1部では疾患修飾薬の臨床実用の今後の展望や、取材に基づくレカネマブとアデュカヌマブの開発課程の比較について、また製薬企業からは最新の研究や臨床試験等の取り組みについてご紹介いただいた後に、各ディスカッションポイントについてフリーディスカッションを実施しました。
前回から確実に大きな進歩を遂げているAD治療薬開発について、最新の取り組みや課題を意見交換することによって、各分野において進むべき方向性を垣間見ることができ、産官学連携(Public–Private Partnership: PPP)の重要性を再確認する機会となりました。
トランスレーショナル・リサーチコロキアム
トランスレーショナルリサーチ・コロキアムはアカデミア、規制当局、製薬企業などで研究開発に携わっている研究者の方、テーマに携わる様々な方にご参加頂き、異なる立場からの議論をもとに、直面する課題に対するソリューションを探る機会を設けるもので、2015年より継続して開催しています。
また、PhRMAは2013年より産官学の連携で国内アカデミア創薬を促進・サポートする活動として、「ヤング・サイエンティスト・シンポジウム」の開催や、国内の若手研究者を米国に短期間派遣し、米国における保健医療政策、医薬品研究、規制慣行、トランスレーショナルリサーチの最新情報を学ぶ「マンスフィールド-PhRMA 研究者プログラム」の実施など、トランスレーショナルリサーチの活性化、啓蒙を命題とした活動を行っており、本コロキアムもその一環として開催しています。
参加者一覧
議長 | |
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岩坪 威 | 東京大学大学院 医学系研究科 神経病理学分野 教授 |
文部科学省 | |
奥 篤史 | 文部科学省 ライフサイエンス課 課長 |
アカデミア | |
富田 泰輔 | 東京大学大学院薬学系研究科 機能病態学教室 教授 |
樋口 真人 | 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 部長 |
佐原 成彦 | 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 上席研究員(グループリーダー兼務) |
池内 健 | 新潟大学脳研究所 附属生命科学リソース研究センター バイオリソース研究部門 遺伝子機能解析学分野・生命情報工学分野 教授 |
徳田 隆彦 | 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 脳疾患トランスレーショナル研究グループ 医長 |
岩田 淳 | 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 脳神経内科部長 |
メディア | |
下山 進 | ノンフィクション作家 上智大学新聞学科 非常勤講師 |
製薬企業 | |
戸田 康夫 | バイオジェン・ジャパン株式会社 臨床開発・薬理部 部長 |
畠山 直久 | 日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部 バイオ医薬品領域本部&臨床薬理メディカル クリニカルリサーチサイエンティスト |
宮川 武彦 | エーザイ株式会社 計画・事業開発本部 ニューロロジーリード |
オブザーバー | |
大脇 健二 | PhRMA Translational Research Subcommittee 代表/日本イーライリリー株式会社 |
近藤 修二 | PhRMA Translational Research Subcommittee/バイオジェン・ジャパン株式会社 |
星子 麻記 | PhRMA Translational Research Subcommittee/バイオジェン・ジャパン株式会社 |
ほか