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PhRMA MSL Networking group
PhRMA MSL Forum 2023 ~これからのMSLの価値を考える~を開催

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PhRMA MSL Forum 2023 ~これからのMSLの価値を考える~を開催

日時:2023年12月20日(オンライン会議)


本フォーラムはPhRMA MSL Networking Groupのメンバーにより企画・開催されました。
(*MSL: メディカル・サイエンス・リエゾン。高度な医学・薬学・科学的知識をもとに疾患や薬物治療また研究について学び、製薬企業と臨床現場との中立的な立場から情報提供し自社製品や自社の価値を高める役割を担う)

今回もオンライン配信形式で開催され、約230名が参加。PhRMA加盟企業のみならず、日本製薬工業協会加盟企業の方々からもご参加いただきました。
今回は主に講演を中心とした第一部と、参加者数を限定し10のグループに分けて行った意見交換会の第二部の構成で行いました。

第一部

第一部では、最初に今岡 丈士氏(日本イーライリリー株式会社)の挨拶の後、講演①として小泉 稔氏(日本イーライリリー株式会社)より「MSLのキャリアおよび認知度に関するアンケート結果報告」と題し、約230名から回答があった「MSLのキャリア」、及び約290名から回答があった「MSLの認知度」に関するアンケート結果を報告しました。MA(メディカルアフェアーズ)内におけるMSLの業務内容に関しては66%の方が理解しており、MSLの強みとしては専門知識、コミュニケーション能力、及び論文読解能力が挙げられていました。MSLのキャリアに関しては、MSL歴10年以上の方の割合が回答の4.4%と低く、今後も続けたいと考えるMSLの回答は前職により傾向が異なっていました。また、今後のキャリアプランを前向きに模索するMSLがいる一方で、キャリアプランの方向性を見いだせずに悩むMSLがいることもわかりました。今後はMSLの認知度向上だけでなく、将来のキャリアプランをイメージできるよう議論・サポートが必要である可能性が示されました。

講演②ではアンケートの結果を受け、「MSLのキャリアパスについて考える~歩んできた道を振り返って~」というテーマで3名の方にご講演いただきました。一人目は、アンケート結果でも4.4%と低かった10年以上のMSL歴を持ち、他のMA内の職務経験もある、本田 成利氏(アムジェン株式会社)の講演でした。同氏はMSLとして社内でどのような能力が求められており、どのような職種とのかかわりがあったかを説明した上で、他部署との調整を行うリエゾンとしてのMSLの役割や、社内のあらゆる部署とコンタクトする可能性がある魅力について話しました。ジョブ・ローテーションなどを通じて他部署に触れることで、キャリアの幅を広げステップアップすることを一例として挙げました。また、成功していく方の要素や特徴として、科学的なバックグラウンドを持つこと、さらにプロアクティブな考え方を持つこと、リエゾンとして社内外に人脈をもつことを示しました。

二人目は、アカデミアでの研究職からMSLに移られたキャリアをお持ちの鈴木 光浩氏(ファイザー株式会社)でした。それぞれの職種での経験についてのご紹介があり、ご自身が指導した大学院生からMSLの職種の話を聞いたことがきっかけとなり、アカデミアの研究職からMSLのキャリアに移られたという経緯を説明しました。MSLに移られてからのご苦労はあったものの、MSLでの経験から学んでいき、顧客から求められる情報と伝達方法を常日頃から考え実践し、MSLとしての能力を高めてきたというスキルアップの方法に関して紹介しました。 さらにMSLマネージャーの日々のスケジュールを示され、会議や移動に時間を取られるが、HCP(医療従事者)との専門的な話ができる面会にやりがいを感じているというスペシャリストとしてのMSLへの想いを伝えていただきました。

三人目の講師は、製薬企業のセールス部門よりMSLに移られたキャリアをお持ちの柳 憲昭氏(ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)でした。セールスからMSLへ異動後にスペシャリストではなく、セールスで経験したpeople managerを目指され、これを実践されているご経歴を紹介しました。セールスに戻られた際にはMSLの経験で得られたナレッジと視野とコミュニケーション能力が活かされたとのお話がありました。またpeople managerとして、コーチングなどを用いてメンバーに働きかけること、その中に気づきがあり自己研鑽になることや、責任があるからこそやりがいがあるといった魅力のご紹介があり、スペシャリストの育成に貢献することの喜びについてお話いただきました。最後に目指すキャリアを実現するために、現状の棚卸をすること、人的ネットワークを広げること、周囲に自分のことを伝えることが挙げられていました。

第一部の最後は、片山 泰之氏(MSD株式会社)による閉会の挨拶で幕を閉じました。

第二部

第二部では「今後のキャリア、どうする?」をテーマにワークショップを行いました。1グループ5名程度のグループを10組作り、ワーキンググループメンバーがファシリテートする形式で約30分間ワークショップを行いました。他社のMSLとキャリアについての考えを自由に意見交換することで、親交を深める時間となりました。初めての試みでしたが非常に好評で、本ワークショップに関するアンケートでは30分では短かったというご意見も多数いただきました。

フォーラム役割者・スタッフ一同(会社名アルファベット順)

企業名 氏名
アムジェン株式会社 斎藤 克也
渡邉 高大
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 柳 憲昭
山崎 文義
ギリアド・サイエンシズ株式会社 杉山 憲司
グラクソ・スミスクライン株式会社 柾木 進吾
多田 好孝
インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社 加峰 弘毅
ヤンセンファーマ株式会社 永坂 真也
吉田 将紀
日本イーライリリー株式会社 飯田 真由美
小泉 稔
野村 竜平
MSD株式会社 合田 哲
鎌倉 真由子
ファイザー株式会社 実形 剛樹
張 霊逸